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THE 世界は認識した瞬間創造される

小原 一哲

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今から50年くらい前に製作された映画です!
寺山修司の「書を捨てよ町に出よう」
先日ブログに書いた「田園に死す」と同じ監督です!
両方とも彼の詩集とエッセイが素で、どちらもアヴァンギャルドな映画です!

今回の方がファンタジー色は弱めですが高度経済成長期の日本の現実がまざまざと横たわります。

プラプラしている「私」
元軍人で無職で覗きが趣味の「父」
万引き常習犯の「祖母」
人間嫌いでウサギジャンキーな「妹」
そんな家から抜け出すため「私」が奮闘する青春映画です!
ぶっちゃけストーリーなんてない様な物で、映像編集やカメラワーク等アート強めです!

なんと言っても劇中の音楽がカッコいい‥
70年代初頭と言えばフォークなどのグループサウンズがメインだったと思うのですが
劇中の音楽はゴリゴリに歪んだギターサウンドや荒れ狂うベース、ドラム
そして不穏な歌詞
90年代ロックと比べてもなんら引けを取らないかっこよさ!
アップルミュージックに映画のサントラもあります!

内容は過激で卑猥で現代のコンプラに引っかかりまくりですが
撮影手法が実験的な物が多いので「実験映画」と題されてます。

まず、「私」が映画を見ている「私達」に向かって
「映画は幕が降りて灯がついたら、俺らの世界は終わりだ」
「安全な暗闇の中で見てるだけかよ!」
的な挑発から始まります!

今回ブログのタイトルを「世界は認識した瞬間創造される」
と題したのは
自分の思考と「私」の挑発が一致したからです。
認識した瞬間創造される世界と
幕が降りて灯が着くと破壊される銀幕の世界は=てはなかろうか

私は1991年生まれです
音楽は90年代、映画は70年代
どちらも日本の物が好きです。

私が生まれる前、そして物心がつく前にこんな世界があるとは!
こんな素晴らしい物があったとは!

自分の中では91年から世界は始まってます。
ですが、それより前にも世界が存在していたとは頭でわかっていてもどうしても信じられなかった

古い映画はそんな自分視点の創造される前の世界を観れるから
そこには確かに存在してるけど!
自分の知らない日本や風景が意味不明なトゲになって心に突き刺さる瞬間が堪らないのです!

この映画に関してはなんも考えず、最後に感じた物が答えだと思います。
面白いかつまらないかは個人の差ですね!
私はとにかくカッコいいと思いました!
不気味で卑猥で!

気になる方はぜひ観てください!
2時間ちょいの少し長めです!

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