そうめん!
夏が来てしまった。
梅雨も嫌だが、夏はもっといやだ。
少しでも活動的になろうものなら、
途端に全身から汗が噴き出す。
その不快感たるや
海水浴で水着の中に大量の砂が入り
あんなところがジャリジャリになるあれや、
アサリを噛んだ瞬間に砂がジャリジャリする
あれに匹敵するだろう。
なぜか海と砂縛りになってしまったが、
そんなことはどうでもいい。
とにかく、夏が嫌いだ。
だがそんな夏にも刹那の至福の時がある。
それは、海水浴に行かず
水着に砂が入る心配をせず、
家で砂抜きが完璧にされたアサリを食べるが如き
多幸感。
それは、よく冷えたそうめんを食す時。
もちろんそうめんならなんでもいいわけではない。
僕はグルメなのだ。
揖保乃糸をこよなく愛す、
グルメそうめんイーターなのだ。
今日も今日とて、手延べそうめん揖保乃糸を
時間通りに茹で、
その喉越しにこの上ない喜びを感じる。
これだ。
これだけが夏の喜び。
この、揖保乃糸だけが、僕の友。
揖保乃….
揖保の….
え….?
揖保の………峰…….?
誰?