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ロマネコンティの雨

小原 一哲

ロマネコンティが降ってる

酒に弱い僕はガラス張りから動けないでいる

大腸の端っこを切り取ったら

意識だけでも帰るよ、チェリー

キズだらけのワインボトルに

ロマネコンティが入り込んで

それが黒い黒いモジャモジャになって

そしたら手足が凍っちゃった

血液がトゲトゲしてきて

体がムズムズムズムズ

白いちっちゃい悪魔を飲んで

幸せにならなくっちゃ、ならなくっちゃ

幸せと楽しいって別物なんだぜ

責任感と罪悪感が許しちゃくれない

キリキリ締め上げ、ズブズブ突き刺さる

11年前に愛子ちゃんが首吊ったんだけど

彼女は白い表紙の中で生きてる、これからも

13冊の本が段々と色を失ってきて

それと同じように僕の心も褪せていく

読んでるととても苦しいのだけど

とっても楽しくて何度も読んじゃうよ

子供達は元気だよ、うん、

パンダを取り合って泣いたり、殴ったり

置き去りになってるサメがかわいそうだ

どっちもいい感触なのにね

冬は動かないけど

俄然、夏の方が死の匂いが濃い

そんな気持ち分かってくれなくてもいいや

バイバイ

I LOVE YOU BABY!


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