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夢が売ってたから

小原 一哲

山の日だってよ

なんだよ山の日ってのは

海の日があるから山の日ってか

だったら空の日も陸の日もあっていい

そんな事言い出したら一生に一度の事なんて

連綿と流れる瞬間だってそうさ

そんな事はどうでもいいんだけど

分厚い雨のカーテンを潜り抜けながら

散々遊んだあとに

おしゃれなカフェでおしゃれなご飯を食べた

体に優しい野菜がたくさんのってるやつ

食べたら悪い物全部排出できそうなやつ

一体俺には何が残るんだろう?

苦手なモロヘイヤとオクラは

隣に座ってる長男が食べてくれた

ネバネバは納豆以外はちょっと‥

その帰りにくたびれたスーパーの片隅に

夢が売ってたから買ったのさ

初めて買ったバラ3枚

みんなは気づいてないかも知れないけど

実はこの世界はたったの2択しかないんだ

確率にして50%

生きるか、死ぬか

俺か、俺以外か

当たるか、当たらないか‥

ただし何事も始めないと2択にならない

始めた瞬間に50%に跳ね上がるのさ

始めなかったらずっと0%

当たるね、当たる予感しかしない

39.6℃でうなされてた時からそう思ってた

3枚の理由は

一等と前後賞合わせて3枚

きっと俺が買った3枚だろうな

たくさんの人から小銭ぶんどって

悪いけどそれは全部俺のものさ

当たったらロンドンに移住しよう

そう決めたんだ

ロンドンの1番治安が悪いところで

パブでギネスビール飲みながら

ゴミみたいな美しい音楽をして過ごそう

そう決めたんだ

間違えちゃいけないのが

写真に写ってるのは決して

スタイリッシュなロッチ中岡さんじゃない

それだけは間違えないで欲しい

バイバイ

I LOVE YOU BABY!


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