THE 6発の弾丸
1人の死刑囚と1人の処刑人
処刑人の右手には真っ黒のリボルバー
弾倉には6発の弾丸が込められている
それぞれにはよく見えないが刻印が
「今からお前に6つの苦痛を与える」
処刑人が言う
死刑囚は鎖も無く、虚な目で立っている
まず1発めの弾丸が左肩に打ち込まれた
弾丸の刻印は(時)
「時が流れ、崩れ落ちていく苦痛」
2発めは右肩
刻印は(病)
「健康を害し、まともにいられない苦痛」
3発めは左足
刻印は(金)
「常に求める苦痛」
4発めは右足
刻印は(子)
「責任を伴う苦痛」
死刑囚は血まみれで床に転がるが息はある
5発めは喉元
刻印は(生)
「この世に生まれる苦痛」
最後は眉間
刻印は(死)
「この世から去る苦痛」
処刑人は言う
「この6つの中で3つは選ばれた人に
1つは公平ではなく、もう1つは絶対だ」
銃口から燻る硝煙
処刑人は神ではない
うっすら笑ってさえいる
「生まれた罪に、死をもって償うがいい」
死刑囚の耳にはもう届かないが
真っ白な光と共に薄れいく意識
おめでとうございます!元気な赤ちゃんです!
バイバイ