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THEE 腑抜け野郎の脳天をたたき割れ!

小原 一哲

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日本のロックンロールの始まりは意外にも福岡でした
70年ごろに勃発

「ルースターズ」はその第二世代の80年代の北九州のゴリゴリ硬派なロックンロール
ボーカルの地声でがなりたてるような歌い方は後のミッシェルガンエレファント のチバさんに受け継がれます

サウンドもカラッとしたギターメインのシンプルな構造
シンプルと侮るなかれ
余計な物を排除した言わば究極
それだけ完成されてるということです

これはCDですが
レコードジャケットの復刻デザイン
故に現代ならクレームがきそうなフレーズ「腑抜け野郎の脳天をたたき割れ!」

最近こういうのが少ないな
チャラチャラしてなくて、飾り立ててなくて、オシャレじゃないロックンロール
「いいから黙って聞け!」的な攻撃的なロックンロール

とは言え
カバーもこのアルバムには多いのですが
歌詞を聞いてみると
硬派な見た目とは裏腹に
内気な
ちょっとオタク臭くて
不器用で
それでいて狂気に満ちた歌詞がいい

「お前がどんなに飾り立てても俺には関係ねぇ、俺はただお前とやりたいだけ」
とか
「お前の隣に家を建てて、毎日お前を眺めて暮らす」
とか
人間に執着する異常者のひんまがった性癖が丸出しです

特に好きなのは「どうしようもない恋の唄」
男女どちらもなんか狂気を孕んでます
目を離すとすぐに俺らの背中にツバを吐きかけるあの娘
だけどそんなあの娘がいなけりゃどうしてもダメな俺ら

俺らとあの娘の関係
ツバを吐きかけて逃げるあの娘
これはもしやあの娘に俺らが集団暴行をしている?
ともかくお互いが依存しあってどこまでも落ちていく破滅的な恋の唄
結局のところ
人間に執着、依存する人間が一番ヤベェのです

男らしい図太いロックンロールの中に人間の異常な感情が垣間見える曲でした

ボーカルの大江さんは後々精神を病んでヘラヘラ笑いながら壁に頭を打ち付けるという奇行をします
それでも元気に今でもちょくちょくやってるみたいです。

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