THEE 命のテーマ
おお我が息子よ、何故背を向けるのか？
辛すぎる現実社会からの逃避か
おお我が息子よ、何故背を向けるのか？
父の顔に見飽きた為か
おお我が息子よ、何故背を向けるのか？
反転する事により
この世には裏も表もないのだよ
という表現の為か
おお我が息子よ、何故背を向けるのか？
死後の世界が真っ暗だから
生前の世界の真っ白を感じる様に
シーツに顔を埋めてあるのか
おお我が息子よ、何故背を向けるのか？
寝返りを打って戻れぬのか
まるで片道キップしかない人生の表現か
おお我が息子よ、何故背を向けるのか？
大人には見えない
浮遊する半透明を見る為か
おお我が息子よ、命のテーマがある
親から子へ最初の贈り物である「名前」
実はこういう風に育って欲しい希望ではなく
その子が一生をかけて探すテーマなのだ
あなたの名前の意味の一つに
「世界の終わり」という意味がある
ここの世界とは世界の事ではない
世界＝自分なのだ
自分を取り巻く世界は実は存在せず
今いるこの刹那
つまり自分が世界なのだ
「世界の終わり」とは
自分の人生の終わり
何も成し遂げなくても良い
ただ生きていてくれればそれでいい
世界が終わるまで幸福に生きる為の命のテーマ
例えば名前など無くても構わない
あなたが存在する空間があればそれで良い
おお我が息子よ、罪深い父を許しておくれ
ただ生きているだけなのに
この世はとても大変なのだ
あらゆる事に制限があり、監視がある
自由を探しても結局どこにもないのだ
白から黒に向かうまでの間一生縛られるのだ
おお我が息子よ、父はあなたに伝えたい
こんな世でも幸せや楽しい事はたくさんある
そこら中に転がって落ちている
大切なのは幸福を感じ取る心を持つ事だ
バカは不幸が好きなのだ
自分の心一つでこの世は全て
この世はあなたの物だ
おお我が息子よ、安心して欲しい
父は運がいいのだ
地獄に生まれ落ちはしたが
人生で一度も不幸と思った事はない
環境と人間関係は恵まれている
そんな神の子であるあなたも運がいい
おお我が息子よ、我が息子
世界が終わるその瞬間まで
幸福を感じ取る心を殺さないでおくれ
おお我が息子よ、我が息子
たくさんの呪いをあなたに込めて
おお我が息子よ、我が息子