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THEE 社会主義とディストピアについて

小原 一哲

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社会主義
簡単に言えば企業の利益や農作物等を国が管理して国民に平等に分配する的な主義
ソ連等がそれにあたり独裁政権になりやすい

ディストピア
上記に加えて国民の行動や思想までも管理する空想の社会体制
近いところで言えば第二次世界大戦中の日本がそうでしょうか

世の中の全てのことは
全てメリットとデメリットが存在し、ある人には良いがある人には悪い
全てに置いて平等な事は「死」が唯一の平等
現代を生きていくにはまず世の中は不平等が当たり前ということを受け入れてからの始まりです。

さて
最近気になっていたエッセイ
ルーマニアの「イリナ・グリゴレ」の「優しい地獄」
彼女は私と歳はさほど変わりませんが幼少期をルーマニアの社会主義時代で過ごし
それが崩壊して現在は日本で大学の教授をされてる方です。

自然が溢れる祖父母の村で生まれ、育ち
多感な頃に両親が工場で働くため、街に引っ越して貧しい生活を送ります
のびのびと暮らしていた最中に突如の町での生活
彼女の人生に暗い影が忍び寄ります。

なぜこのエッセイを買うに至ったか
それは表題に惹かれたからです
ですが読み進めていくうちに
私の幼少期のかなりダブる物を見出したからです

幼少期の私は土日になると
多治見にある祖父母の家におりました
毎回日曜日の夕方になると気が重くなる
別にいじめられていたわけではないけれど
なんとなく学校という規則に縛られた所が嫌でした。

決定的なのは忘れもしない小学校2年生の時
思い返してみるとその頃の記憶は
いつもモノクロで曇っていてどんよりした記憶です
理由はいくつかあります
先生が殴る
ノストラダムスの予言
テポドン発射実験
hideの死
ダイアナ元王妃の事故死
この頃の私はとにかく何を見ても憂鬱で「どうせみんな死ぬのになんで生きているのだろう?」
自分で自分を殺す勇気もなくただ灰色の毎日をなんとか生きていました。

そんな時ちょっとした遊びがあり
手のひらをじっと見つめて
自分がこの世界に存在している感覚
それを徐々に強めていきます。
そうすると段々と「死」という絶対的に逃げ切る事のできない事実にぶち当たり怖くなります。
その恐怖からほんの少し頭を突き抜けたあたりですっと気持ち良くなる瞬間がありました。
それが当時唯一私をトバしてくれる快楽でした。

イリナの幼少期と自分の幼少期がダブる
きっと彼女も何かに縛られる生活に辟易していた事でしょう
エッセイの頭から爪先までほんのり香る死の影
こんなにかわいい表紙なのに
読み終わるまで「死」に見張られる感覚

それは生まれた時からこの瞬間まで
私も忘れた事のない感覚
それは何をしていても常に近くに存在して
この瞬間にも近くで見ているそんな感じ。

虐待されたとか
いじめられたとか
そんな事一切なく
この瞬間まで幸せに生きてきた私ですが
常にそれが近くにいる
満たされているからこそ
そこに魅了される自分がいる
人間の欲望はつくづく尽きないものですね

我々にできる事はただただ時間を積み重ねていく事だけ
進む事はできるが戻る事は絶対にできない
生まれたその時から「死」に向かって突き進むしかないのです
振り返ればどんな事でも過去です
大事なのは戻る事のない空間の中でどのように生きるかです。
過去も未来もどうでもいい
大切なのは今、この瞬間
そしてこれがロックンロール
この瞬間しか我々は生きておりません

ある意味これはパンク書
気になる方はぜひ
なんならお貸ししますので気軽にお声掛け下さい。

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