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THE 泣き叫ぶ

小原 一哲

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久々にゾッとして涼しくなる映画に出会えました!
韓国の映画「こくそん」
日本語訳は「泣き叫ぶ」だそうです
今年ぶっちぎりで好きな映画です!

最近は韓国の映画が本当に面白い!
ゾッとして不気味で絶望の淵に叩き落とされる演出がすごく上手い!
最近の下手な日本のホラーよりオススメです!
2000年代あたりのジャパニーズホラーの片鱗を感じる作品が多いです!

物語としては
宗教ちっくな閉鎖的な集落系の話です
村人が次々とおかしくなって家族を惨殺する事件が多発するのですが
怨霊によるものなのか?
幻覚キノコのせいなのか?
わからないまま進んでいき
そこにキリスト教やら、韓国の呪術やら、日本の祈祷やらが複雑に絡み合っていきます

アウトレイジ等でもお馴染み「國村隼」さんが不気味な日本人役として出演してます!
監督としては集落にとってやはり「よそもの」という存在は目立ちやすい
不気味な外国人なら尚更
その集落における「よそもの感」と「疎外感」を演出するために國村さんを使ったそうです

サスペンスからホラーに切り替わる斬新な手法
テーマは「あなたが信じれば善者になり、疑えば悪者になる」
そんな感じが読み取れます!

主人公は集落に家族と暮らす小太りのビビりな警察官
村での事件を捜査してくうちに國村さんに行き当たります
そして娘が呪われる
謎の女性がでてくる

最後まで誰が犯人か
原因は何か
謎のままでラスト15分でわかります!

2時間半と長めですが
それを感じさせないくらい惹きつけられます
韓国の雄大な景色、生活風景
追い詰められる心理
徐々に忍び寄る不気味と怪奇
作品を通して陰鬱な雰囲気
あっという間です

韓国のホラーには沢山の比喩表現が散りばめられています
それが作品に疑問と伏線をはりますが、回収も見事です
例えばこの作品はカメラが出てきます

最初にも書いた様に「あなたが信じれば善者になり、疑えば悪者になる」
カメラもそう
撮る人の主観でしか切り取られない写真
ほとんど加工が施されてる写真
私達が見ている写真なんて本当の姿ではない
そしてそれを信じればいい風に映るし、疑えばそうでもない

個人的に主人公が食事をするシーンが多くあります
小太りのおじさんがガツガツ食べるのはほっこりする!
2時間半のうち10分くらいはほっこりするシーン
ですが私的には食事はいずれ何かに食い殺される暗示と比喩がしてならないのです

久々に大当たりの映画!
お家時間を涼しく過ごしましょう!

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