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でたらめ!

小森田 貴士

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たまにはでたらめなことを話したい。

なので今日のブログは読む価値はひとつもない。
なにしろ全てでたらめだからだ。
そしてオチもなければ内容もない。

時間があろうとなかろうと、
読まずにそっとこのページを閉じることを
強くお勧めする。

僕の友人の人魚が先日土産を持って遊びにきた。

もちろん男性なので、僕のことを愛してやまない君も
心配する必要はない。

彼の名は大山野内 染々。
おおやまのうち そめそめ と読む。

彼はその名前を巡って起きた様々なエピソードを、
僕が淹れた永遠に冷めない熱すぎるコーヒーを
啜りながらゆっくりと語り始めた。

そめそめは常日頃より自分の名を呪っている。

海底小学校の2年生の時に
(人間で言うところの大学4年生)
そめそめという名前が変だという理由で
当時そめそめが想いを寄せていた半魚人の女子に
振られてからというもの、
就活もその名前のせいで決まらず、
野良猫魚にも引っかかれ、
ついには親人魚にも愛想を尽かされた。

その親がその名をつけたにも関わらず、だ。

しかしそんな彼はある日こんなことに気づいた。
「そめそめ」はローマ字で書くと
“SOME SOME”となり、
「サムサム」とも読めるのだと。

その日を境にそめそめはヒンズー語を学び、
単身インドに渡り、今では一流の宝石商となった。

そして彼はこう言う。

「名前なんていうのはただの記号ですよ。
それ自体にはなんの意味もない。
意味があるのは、その文字を読み上げる時の
唇の動きのセクシーさだけです。」

その言葉を聞いて僕は思った。

「ああ、彼は」

いまだに冷めないコーヒーを啜る音が部屋に響く。

「ああ、彼は、どうやら、今何を言っているか
自分でもわかっていないようだ。」

そめそめは熱すぎるコーヒーをテーブルに置くと、
静かに微笑んだあと、
土産のトミカを僕に差し出した。

どうですか?
後悔したでしょう。
一応言っておきますが、これは何かの比喩だったり
実は深い意味があるとか
そう言った類のものではありません。

そう。
あなたは今、
確かに数分間を無駄にしたのです。

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