THEE ROOTS I LOVE YOU BABY!!
あの日も今日みたいな日だった
晴天じゃないけど曇りでもない
ちょっと暑かった気がする
10年前の子供の日
私が尊敬する唯一人が死んだ
左腕に自分で入れた流れ星のタトゥーと
右手の人差し指と中指の間の鉛玉
「大人になったらタトゥーが出てくる」
そんなウソを12くらいまで信じてた
孫ながらにこの人には絶対敵わないと思った
だからこそ今でも尊敬してる
いつも色付きサングラスをかけてたっけ
犬が好きすぎて
ひとんちの庭に勝手に入って通報されたり
散歩が好きで
公園を何十周も回って通報されたり
コンビニのヤンキーに絡みに行ったり
底抜けに優しかったけどぶっ飛んでた
子供の頃はいつも一緒にいた
それこそ週の半分くらいは
学校前夜の夜はよく体調崩してた
それこそ離れたくなくて
そんな自分のルーツがじいちゃんです
妻が遺影を見た時にそっくりって言ってた
それはなんか嬉しい
すぐに霊感商法に引っかかり
200万もする機械を2台も買ったり
自分の花粉症が治らないのを悪霊のせいにして
土岐の山奥の霊媒師のとこに連れてかれた
そいつはハゲ散らかしててポロシャツ着てた
後神社じゃなくて民家にいるやつだった
孫ながらに信じてなかったけど大人しく従った
じいちゃんにはボンちゃんっていう
中華料理屋をやってる友達がいて
ボロボロの長屋に1人で住んでた
よくその長屋に遊びに行って
メロンを食ってた
中華料理屋にはデビルマンのマンガがあって
その中のエッチなシーンを今でも覚えてる
じいちゃんの家には風呂がなくて
玄関でタライで入るかスーパー銭湯かだった
スーパー銭湯の電気風呂から好きでよく入ってた
私はサイコ野郎が電圧を上げたりしたら
一撃で感電死するじゃんって思ってたから
今でも電気風呂はなんか嫌い
よく多治見の虎渓山に行ってた
五平餅と田楽を食べるんだけど
田楽は結構山椒が効いてて苦手だった
今では大好きだけどね
思えばまるで昨日みたいに鮮明
健康を保つために歯につかないガムと散歩
その散歩で転んで骨折してそのまま認知の加速
こんな結末になるなんて思わなかった
10年前はまだフリーターだったから
ばあちゃんと毎週土曜日に多治見駅で待ち合わせ
じいちゃんのいる施設に行ってた
なんか高台にあってでっかいベルがあった
まあ
ばあちゃんも中々ぶっ飛んだ人だったけど
その話はばあちゃんの命日にするよ
骨と皮だけだったじいちゃんが
一筋の煙になって天に昇ってった
なんかバーベキュー場みたいな焼き場だった
今でも後悔するのは
じいちゃんとほぼ同じタトゥーを入れてるけど
インクに遺灰を混ぜなかったこと
あの世があるなんて思っちゃいないけど
じいちゃんに会えるならあってもいいと思える
あれから10年経って妻も子供もいるし
家とか買おうとか思ってる
こんな未来は予測できなかった
一生予測なんてできないだろうけど
死ぬまでタバコ吸ってること隠しててごめん
安らかでも安らかじゃなくてもどっちでもいいや
I LOVE YOU BABY!!