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ダーウィンは言った。

「生き残る種とは、最も強いものではない。
最も知的なものではない。
それは、変化に対して
最もよく適応できたものである。」

強くても、知的であっても、
環境の変化に適応できないものは淘汰される。

これは世界でも屈指の名言の一つである。

しかし、言ってないのだ。
ダーウィン、こんなこと全然言ってないのである。

ダーウィンびっくり。
超びっくり。

ダーウィンの唱えた進化論を理解すれば
この名言がダーウィンの言葉であることは容易に想像できる。

だが、その言葉がダーウィンの名言として
現代まで残ってしまっているのだ。

ネット上にも、なんかこう、
厳かな感じのフレームに、
賢そうな字体でダーウィンのサインまで入れられて
なんならポストカードにまでされてしまっているのだ。

これは恐ろしいことである。

死人に口なし。
とはよく言ったものだが、
すでにこの世にいないダーウィンさんには

「え！？まってそんなこと言ってないよ？
お前ちゃんと進化論読んだ？ねえ！どこ見てんの？
なんで今靴紐直してんの！？ダーウィン怒ってるよ！？
こっち見て！？ダーウィンそんなこと言ってないじゃん！
ねえ！今 飴食べ始めないで！？」

と、議論することができないのだ。

想像してみてほしい。

あなたが亡くなった後、
あなたの名言として、
一度も言ったことのない名言的なものを
ポストカードにされた未来を。

“私がエビを食べるのは、好きだからではない。

すごく美味しいからだ。 小森田 貴士 ”

これは言うな。普通に言うわ。

ならいいか。